助成金申請のポイントは?トヨタ財団「国内助成プログラム」説明会に参加してきました!【前編】

こんにちは、広報担当・澤です。

かなり時間が経ってしまいましたが、今回はイベントレポートを2回に渡ってお届け。
9月5日、新宿にて行われた公益財団法人トヨタ財団
「国内助成プログラム」説明会に参加してきました!
実はこちらの申請は先月で締め切ってしまっているのですが…(><) 今後申請を考えている方、関心をお持ちの方にとって参考になれば嬉しいです! トヨタ財団×我楽田工房 なぜ我楽田工房がトヨタ財団と?と思った方もいらっしゃることでしょう。 実は、昨年9月の説明会の会場が我楽田工房だった!というご縁なのです。 P1200120

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主催は日本中に溢れる「地元愛」を集約したポータルサイト、「地元びいき [icon-blank]」さん。
代表の和田さんご自身の、助成金って何?申請のポイントは?といった点を詳しく知りたいという思いから、「申請者側に立った説明会」が実現しました。

昨年の説明会の様子はこちら

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この助成プログラムに込められた思いは、時代のニーズに対応して課題を解決していくこと。
特に地域社会での持続可能な仕組みづくりを目指し、地域活動に取り組む様々な団体に助成をしてきました。

そんなプログラムの今年のテーマは「未来の担い手と創造する持続可能なコミュニティ ー地域に開かれた仕事づくりを通じて」。

地域と人をつなぐ活動を行っている我楽田工房もシンパシーを感じるぞ!ということで、ちょっとばかりお手伝いをさせていただきました。

スピーカー紹介

では、早速イベントの内容に入っていきましょう。

今回のスピーカーは、トヨタ財団より加藤剛さん、
そして、現在助成を受けながらそれぞれ地域活動に取り組んでいる、「地元びいき」、「都会のムラ人」プロジェクトの和田富士子さん(東京都青梅市)、NPO法人キッズバレイ [icon-blank] 代表理事、「ままのWAきりゅう」プロジェクトの星野麻実さん(群馬県桐生市)。

実際に助成を受けているお2人からは、それぞれの取り組みと体験談、申請を考えている人へのアドバイスなどがお聞きできました。

助成プログラムについてートヨタ財団・加藤剛さん

まずは助成プログラムの内容について、トヨタ財団の加藤さんからお話。
最初に、今回の参加者のみなさんがどこからいらしたのかを聞くと、関東が多いなか全国各地からもいらしているということが判明!
みなさん真剣な表情です。

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トヨタ財団と国内助成プログラムとは

トヨタ財団は、トヨタ自動車が将来の福祉社会への貢献のため41年前に設立しました。
昨年度からトヨタ財団の国内助成が目指すのは、種を蒔き(=広報)、伴走して一緒に育て、収穫する(=発信)というプロセスによる循環型社会の形成。
今年はより、「仕事づくり」に焦点をあて、持続可能なコミュニティづくりへの寄与を目指しています。

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これまでの助成事例のテーマは、都市農村交流、環境問題への取り組み、地域での仕事づくり、UIターン者と住民によるまちづくりといったもの。
こうした事例から、「住民自治」、「新しい経済」、「資源の循環」、「担い手」といったキーワードが出てきたとのこと。

これらのキーワードから、持続可能な社会の仕組みには、コミュニティと市場経済の間にある活動、「コミュニティ経済」が重要という結論に至ったようです。
申請にあたって、申請者自身が考える持続可能なコミュニティとは何なのかをしっかり明示することがポイントとなるようですね。

助成対象となる事業

助成にあたってのポイントは、
チームで取り組んでいること、
多様なセクターが参加していること、
多世代が参加していること、特に若者の参加があること
の3つ。

特にチームの基盤作りを重視していて、助成金自体もチームビルディングに関わる活動にも使用することができ、人件費にもあてられるという点は特徴です。

助成事例1:地元びいき・和田富士子さん

事例報告として、まずは地元びいきの和田さんからお話。
東京都品川区出身の和田さんは、高校卒業後海外経験を経て、大学卒業後は長らく編集の仕事に関わってきました。
日本に帰国後、改めて日本の良さを実感。
当時の職場環境への疑問や震災を踏まえて一次産業や田舎への関心が高まり、「地元びいき」が誕生しました。

スクリーンショット 2015-11-12 17.16.23各地からの「地元愛」に溢れる記事が集まる「地元びいき」のサイト

そんな和田さんが取り組んでいるのは、東京都青梅市成木(なりき)での林業をテーマにしたプロジェクト。
活動のコンセプトは、都市側からの提案ではなく、成木という「自然側」からの提案で、都市と地域とのつながりを考える、
そして、都会のシステムに飲み込まれてしまった地域本来のアイデンティティを取り戻しながら、新しい形の林業ビジネスを作っていくというものです。

代表者は現地の林業者の方で、和田さんは連絡責任者として地域と都会をつなぐコーディネートをするという立場です。

1期目を終えて

1期目を終えて和田さんが強く感じているのが、地域に大きなインパクトを与えられたということです。
代表者自身は林家の14代目。今までは地域の長老たちを立てながら林業に従事してきましたが、少しずつ3,40代の若手が動き出す機運が出てきていました。
そのタイミングでプロジェクトが始まり、彼ら若手たちの活動を後押しすることができたそうです。

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また、1期目で大切にしてきたのがチームビルディング。
チームメンバーは林業従事者中心の地元の人たち、そして都心部で地域活動に関心のある若者たちです。
最初はお互いの顔が全く見えていない状態でのスタートでしたが、何回も顔合わせをし、飲み会を重ねる中で自然と打ち解け、語り合えるような仲になったとのこと。

プログラムの見直しと今後のビジョン

こうした動きの中で新たな担い手が増え、プログラムの見直しが必要になってきた部分も。その際には、財団と相談してビジョンを見直して行ったそうです。
単に金銭面での助成を行うだけでなく、プロジェクトのより良い方向性を共に考えるパートナー関係を築けるのは、国内助成プログラムの大きな特徴です。

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1年目はチームビルディングとともに、「成木」を知ってもらい、思いに共感してくれる人を増やすことを模索し続けた和田さんたち。
今後は、対流人口の増加に加えて定住促進にも取り組んでいきたいとのことです。
実は東京は「都会」だけじゃない、多様性に溢れたところ。東京の「田舎」から「田舎」の良さを存分に発信していってくれることでしょう!

助成事例2:NPO法人キッズバレイ・星野麻実さん

お次はNPO法人キッズバレイ代表理事、「ままのWAきりゅう」プロジェクトの赤石麻実さんからお話。
赤石さんの活動拠点は、女優・篠原涼子さんの出身地としても有名な群馬県桐生市。
地域の中に眠っているママのパワーを生かして地域に活力を生み出すことを目的として、ママのための学びの場と体験プログラムの実施、仕事づくりなど多様な活動に取り組んでいます。

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女性による「ふつうのまち」のまちづくり

赤石さんの問題意識は、ママにとって自分らしい生き方・働き方ができる場が地域に少ないということ。
さらに、桐生市は群馬県の中でも人口減少率が最も高く、高齢化と地域文化の次世代継承についても懸念してきました。
人口も面積的な規模も大きくもなく小さくもない「ふつうのまち」を、女性を核にしたまちづくり活動でどのように活気づけるかを考えてきました。

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これまでに取り組んできた活動は、在宅でもできるWebライティングの仕事づくりや、ママのアイディアによる商品開発、コワーキングスペースの運営、起業志望のママのバックアップなど様々。
地方での女性の働き方において、雇われる・パートで働く以外の選択肢を増やすと共に、
自分らしい生き方と地方ならではの子どもにとって暮らしやすい環境、両方を実現した地域社会を目指して進み続ける予定です。
東京でしかできないことなんてない!という力強いメッセージで報告を終えました。

後編はクロストークの様子をお届け

それぞれテーマも地域性も異なる活動ですが、様々な担い手と共に地域の課題を見つめ、持続可能な社会の仕組みを模索しながらの体験談からは学べることばかりです。

次回はゲストのお2人、トヨタ財団の加藤さんと参加者のみなさんとのクロストークの様子をお届けします。

後編はこちら

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参加者の方々の疑問点に答える形でトークが進みますので、申請のポイントなんかもお聞きできました!
助成金に関心のある方、チャレンジしてみようと思っている方は注目ですよ!