島の冒険から始まった、涙の地域「観考」奮闘記
はじめまして!
ボノのインターン生(を少し前に卒業した)、高見堂亜美(通称たかみー)といいます。
ボノ卒業に際して、ブログを書く機会を頂いたので、学びと涙多き“ボノLife”を振り返っていきたいと思います。
ボノのプログラムのひとつである「まち冒険*」では、約3年間で8地域に伺い、地域の方々や同じチームのメンバーとその地域について(時には夜通し)考えてきました。
[mini]*まち冒険とは、大学生が地域に行き、地域住民の取材をすることで地域の資源の可視化をし、自分がどのように地域と関われるかを提案したり、取材記事をまとめるプログラムです。[/mini]
人生を変える出会い
大げさかもしれませんが、それくらい私にとってボノとの出会いは衝撃的だったのです。
それは大学1年生の2月でした。きっかけは大学の先輩からの一言。
「たかみー、島行かない?」
長崎県の五島列島、久賀島のまち冒険へのお誘いでした。(後から聞いた話ですが、先輩が私に連絡をくれたのは欠員が出たからだそうで、まさに棚からぼたもち!)
観光学を学びながらも旅に行ったことがなかった私は、インターンだからと、両親に懇願したのを今でも覚えています。
飛行機とフェリーを乗り継いでいく、ながーい旅路。
最初は不安が大きかったのですが、ボノのスタッフさんや一緒に行くメンバーと話をしていると、それは吹き飛びました。
大学も学部も学年も違う人たち。各々のバックグラウンドで地域について議論できるのが、新鮮でワクワクしました。(3年経った今でもよく会って話をするので、大切な友人に出会えたなぁ~。)
そしていざ久賀島に着いて、ビックリ。「こんな美しい景色が日本にあるのか!!!!」
魚も米も島でとれたもので、人もとっても温かい。ずっとここに居たい~。
そう頬が緩むのも束の間で、島の方々にインタビューをすると、様々な声があがったのです。
「島の衰退をどうにかしたい」
「島のためにこんな活動を行っている」
「現状維持。このままでいい」
教科書に載っていない、地域の方のリアルな声でした。紙面や授業で知ったつもりになっている自分が恥ずかしくなりました。
まち冒険で出会った方々は、目的をもって地域のために活動している方が多く、ただただかっこよかったです。
私の家は転勤族なので、「ここ」という地元はありません。だからこそ、人々がそこで地域のために、自分や家族のために仕事をする姿が、キラキラしてうつったのだと思います。
「これからも知らない景色を見たい」「地域のために働く方々を取材していきたい」
先輩の一言から、それにひょいと乗っかった自分の小さな勇気から、私の気持ちは次第に膨れ上がっていきました。
私は自分の中の「慎重」というネジを、どうやら久賀湾に落としてきたようです。
それから、「見たことない景色や人に、自分の足で会いにいこう!」と、リュック1つで主に日本を歩きまわるようになりました。
*****
久賀島まち冒険には、続きがありまして…
「どうしてもこの島を他の人にも知ってほしい!」と思い、大学で友人のツテを借り、約50人相手に久賀島ツアープレゼンをしました。(「自分がまた訪れたい!ならば、誰か連れていきたい!!」という思いも根底にはありました。)
最初は10人ほど希望者が集まりましたが、減りに減り、1人に。めげずに地域おこし協力隊の方と連絡を取り、まち冒険から半年後にその1人の友人を連れて、なんとかプチツアーを決行。企画を考える難しさ、実行する難しさを身をもって実感しました。
そんなこんなでやっとたどり着き、久賀島の方々は「よう来たね~」と、とても喜んでくれて、嬉しかったです。
「想い」をもって行動すること、それが微力ながらも地域がより元気になることに繋がるのかなあ、なんて考えた大学2年生の夏でした。
まち冒険に惹かれる理由
その後もまち冒険にいくつか誘っていただき、参加しました。
地域を訪れ、インタビューをすることは非常にやりがいを感じていたのですが、そこから納得のできる企画提案ができず、泣いてばかりでした。
もう辛い思いしたくないな、と何度か距離を置こうとも考えました。(すみません…)
でもここで辞めたら、成長が止まってしまう…!と、まち冒険で毎回お世話になっているボノの取締役の谷津さんに、必死で食らいついていきました(笑)
そんな中、最後から二番目のまち冒険(in高知)で、その壁と強く向きあうことになりました。
地域の方と関われば関わるほど、考えれば考えるほど、いつも以上にわからなくなってしまったのです。
相手がどう思っているのか、何をしてほしいのか。
私は何がしたいのか。
そんな時、ボノメンバーの坂井さんからの言葉を今でも覚えています。
「対話できてる?」
私に足りないのは、「対話」でした。
もう一度自分の中やメンバーで、誰のため、何のための企画かを整理し、私はインタビューをさせていただいた地域の方に思い切って電話をしました。
「こういう思いでこの企画をやってみたいのですが、どう思いますか?」
返ってきた答えはポジティブなもので、私の心の氷はじわじわと解けていきました。
一方的にではなく、地域の人と一緒に作り上げていると思うと、目の前が明るくなりました。
まち冒険で何度も地域に足を運びながらも忘れていた、「対話」。
何度も悔し涙を流して考え抜いたからこそ、簡単には忘れないと思います。
いや、忘れたくない。
まち冒険に惹かれる理由、それは、地域をより元気にできる活動だと本気で信じているから。更に、自分自身も成長できる「何か」が絶対にあるはず、ってアンテナが反応していたから、だと思います。
旅を地域や人々の活力に
私はボノを卒業した後、旅行会社に就職します。
一つ目の理由は、観光という側面から、地域をより良くしていきたいからです。
観光は、光を観ると書きます。
しかし、今後は光に限らず「対話」を通じていろんな課題を知り、一緒に地域について考えていく「観考」を行っていくことが大切だと、まち冒険を通して感じました。
地域のことは、実際に行かないと分かりません。
私は、地域と企業や人々の架け橋になります。
二つ目の理由は、誰かの原動力となる旅を提供したいからです。
旅は出会いの連続です。
胸を打つ景色、その地域で頑張る人、犬嫌いを克服するきっかけになったゲストハウスのトイプードル…数え上げればキリがありません。
その一つ一つの出会いが、仕事や学業、ひいては生きる活力や癒しになると思います。
そんな旅のサポートがしたいです。
地域のことを本気で熱く考えている谷津さん、泣いてばかりの私を見捨てずに温かく見守ってアドバイスを下さった坂井さん、年下とは思えないほどしっかりした考えを持っている同じインターン生の中野さん、まち冒険で出会って今も仲良くしてくれる仲間、多くの方に支えられてボノで走ってこれました。
これからは私の番。
今までボノのプログラムに参加する立場でしたが、今度は私が企画を作る番です。
地球温暖化、少子高齢化、突然のパンデミック…悩みは尽きませんが、未来のためにも今から旅行という分野で、誰もがワクワクできる社会を作っていきたい、と燃えています!!