我楽田工房周辺のまち歩き案内~関口芭蕉庵編~

こんにちは!澤です。
最近のマイブーム?は人ごみの中でひっそりと鼻歌を歌うことです。もはや自分でも自分の声が聞こえないので、誰にも気づかれずに楽しく歌えちゃいますよ?!

さて、今回から新連載!我楽田工房周辺・まち歩き案内がはじまります。

60f631b040ea724289dd84a9e1e979d3-300x225 イベント

ボノのオフィスであり、地域をテーマにした情報メディアでもある我楽田工房!

その発信基地は文京区関口にあり、東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」と東西線「早稲田駅」の間に位置しています。

P1130940-e1412612495993

神田川の流れる閑静な住宅街に囲まれる一方、学生のまちもすぐそこ!というユニークな空間の周りには、実は多様な見どころがあることをご存知でしたでしょうか?



という私がまったくもって知りませんでした★
多摩地域LOVEの私ではありますが、オフィス周辺のまちのことくらい知らなくてどうする!どうせなら関口周辺の達人になってしまおうではないか。

と、いうことで!記念すべき第一弾を飾るのは、「関口芭蕉庵」のご紹介です!

■松尾芭蕉ってどんな人?
「関口芭蕉庵」とはその名の通り松尾芭蕉ゆかりの地でありますが、その前に芭蕉についておさらいしましょう!

松尾芭蕉は、三重県伊賀市出身の言わずと知れた江戸時代の俳人。それまでは滑稽さを楽しむ文学だった「俳諧」を芸術の域にまで高めた存在で、現在でも「俳聖」として讃えられています。

IMG_2202

「月日は百代の過客にして…」という有名な序文で始まる「奥のほそ道」を筆頭に、「野ざらし紀行」、「更級紀行」など数々の紀行文を残しました。
みなさんも中学・高校の国語の授業でいくつかの作品に触れたことがあるかと思います。
旅とペンで後世に名を残す……くぅ、憧れるぜ!

■関口芭蕉庵
それでは!ここで関口芭蕉庵の紹介にまいりましょう。

P1200852

江戸川橋駅から神田川沿いを早稲田方面へ歩くこと15分。
「胸突坂」の坂下にひっそりと佇んでいるのが「関口芭蕉庵」です。

1677年、当時34歳の芭蕉は、2度目の江戸入りの後、神田上水の改修工事の監督を務めるためにこの地にやってきます。その後「奥のほそ道」の旅に出るまで住んだと言われる「深川芭蕉庵」(現在の「清澄白河駅」近く)に移り住むまでの3年間、この地に住んだと言われています。

芭蕉が住んだのはこの地にあった「龍隠庵(りゅうげあん)」と呼ばれる庵だったそうですが、後に芭蕉を慕う人々が多く訪れ、いつしか「関口芭蕉庵」と呼ばれるようになったとか。
大正15年には当時の東京府の指定史蹟となりました。
現在では「史蹟関口芭蕉庵保存会」によって維持・管理されています。

P1180613

入り口近くには案内図が。思っていたよりも広い!
見事な庭園や池があり、とっても風情があってほっとする空間になっていますね。

芭蕉庵

こちらは入り口を入ってすぐのところにある「芭蕉庵」。

P1180618

史蹟に登録された大正15年から昭和18年まで、俳壇の長老・松宇伊藤半次郎が管理人としてここに住んでいたそうです。その間、昭和13年に火事で庵が焼失、復旧をするも戦火で再び焼失してしまいました。現在の芭蕉庵は、戦後に再建されたものとなります。

この日は何人かの方がいすに座って、古地図などを眺めていらっしゃいました。芭蕉ファンなのでしょうか。
展示や資料がそれほど充実している訳ではありませんが、芭蕉が住んでいた庵の面影が感じられる静かで落ち着いた空間です。

瓢箪池

お次は湧水からなる瓢箪池。コイたちもゆったり泳いでいますね。

P1180633

実はこの湧水、「東京都の名湧水57選」の一つで、約15m段差の崖下からの湧水が庭園の石鉢に流れています。こんなところが都心にあったのですね。

竹林

少し上の方へ登っていくと、小規模ながらも風情のある竹林が。

P1180635

そしてこんなところにも芭蕉の句を紹介したプレートがありました。
「野ざらし紀行」、「嵯峨日記」から、竹にまつわるものが紹介されていますね。

P1180670

うん、なんだか賢くなった気がするぜ!そんなルンルン気分でしばらく歩いていると…蚊…蚊に刺された…

芭蕉翁の句碑

気を取り直して瓢箪池の周りの林を歩いていると…

P1180691

おっ!「芭蕉翁の句碑」までもうすぐ!

P1180695

さらに松の生える小径を歩いて…

P1180703

ありました!

P1180708

この句碑は昭和48年に芭蕉翁の280回忌を期して作られたもので、文字は芭蕉筆のものです。
「古池や 蛙飛込む 水の音」

P1180711

刻まれているこの俳句は芭蕉の句の中でももっとも有名なもので、「蕉風俳句」を大成した芭蕉の記念すべき句です。

P1180674

湧水に竹林、江戸時代の面影を残す庵、そして数々の歌碑と、都心のオフィス街をちょっと離れたところにこんなに見事な庭園があることにびっくり。

P1180714

今回紹介した場所以外にも、様々な見所スポットがありました。

■最後に

芭蕉庵の周りには、細川家所蔵の美術工芸品を展示した「永青文庫」、講談社の創業者・野間清治の美術コレクションなどを展示した「講談社野間記念館」、南北朝時代から椿で有名な景勝地だった「椿山荘」など、文化スポットがたくさん。

芭蕉ファンの方、文学少年少女、家族や恋人とゆったりとお散歩を楽しみたい方、ぜひ芭蕉庵とその周りの文化スポットを訪れてみてはいかかでしょうか?

これからも不定期ではありますが、我楽田工房周辺のまちをご案内していきます。
我楽田工房が地域を愛し、地域に愛されるスペースでありたいという願いを込め……どうぞお楽しみに!

参考:史蹟関口芭蕉庵保存会,2005,『史蹟 関口芭蕉庵案内記』
こちらのパンフレットは芭蕉庵の管理室にて購入することができます。

文京区HP「関口芭蕉庵」http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_shiseki_bashoan.html

東京都環境局「東京都の名湧水57選一覧」
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/water/conservation/spring_water/tokyo/#文京区

関口芭蕉庵
文京区関口2-11-3
東京メトロ有楽町線「江戸川橋駅」または東京メトロ東西線「早稲田駅」徒歩15分
都バス白61「目白台三丁目」より徒歩6分
【開園時間】10:00〜16:00
【休園日】月・火曜日、年末・年始
【入園料】無料
【お問い合わせ先】03-3941-1145