16冊だけの本屋を始めました。

このたび我楽田工房の中に小さな本屋をオープンいたしました。

現在は合計16冊の本が並んでいます。
小さな本屋にしても小さすぎる本屋ですが、野望はかなり大きく抱いております。
目指せ年商1億円!というのは嘘で、(※在庫全部合わせても2万円ちょっとしかありません)
いやそこまで行けばそれはそれで嬉しいのですが、狙いではありません。

図書館ではなく、本屋である理由

多くのコミュニティスペースには本棚があります。大宮にある「7F [icon-blank]」や澁谷にある「co-ba Shibuya [icon-blank]」など。

少し前にはクラウドファンディングで「森の図書館」なんかが有名になったりもしました。(森の木を本にするロゴマークはいつか使おうと思っていたアイディアなので悔しい思いをしたのですごくよく覚えています。)

どれもこれも、とても素晴らしい本棚だと思っていますが、我楽田工房では図書館をしません。

理由は3つあります。

理由1 来る人が興味を持つ本をいつも並べておきたいから

1つ目の理由は、僕がいろいろなスペースに足を運ぶ中で、コミュニティスペースに置かれている本を手に取る人を見たことがないからです。

並んでいる本はどれも素敵だし、自分も置きたいと思うような本たちなのですがなぜなのか…。

我楽田工房で本屋をやろうと決めた時に考えた仮説は、コミュニティスペースに訪れる理由と、本棚の本の内容が合致していないからではないか、と思いました。

つまり、味噌を作るイベント会場に、最高のプログラミングの本が置いてあっても誰も見ない。
味噌を作るイベントなら、味噌に関する本を置くべき。

ということです。

つまりコミュニティスペースで発生するイベントに合わせた本を用意する必要があります。
本屋には「委託販売」というシステムがあるので、イベント事に合わせた本を効率よく用意することができます。

理由2 著者にお金が届くようにしたいから

当たり前ですが、世の中に出ている全ての本には作者がいます。多くの場合は編集者がおり、印刷屋さん(我楽田工房のある場所もかつては印刷工場でした)があります。

素晴らしい本であれば、彼らがその本を作った対価を得ることは当然の権利です。さらに言えば、正当な対価を得なければ彼らは本を作り続けることができません。

そんな彼らに正当に対価を渡す方法はただ一つ、新刊書を買うことです。

2つ目の理由は、素晴らしい本を作った人にはちゃんと対価が渡るようにしいたいからです。

理由3 著作権のクリアというコスト

最後の理由は、法律的な問題です。どうやら図書館として貸し出すためには著作権を持つ人に許可をもらう必要があるようです。

参考:弁理士『三色眼鏡』の業務日誌~大海原編~

専門家ではないので詳細まで理解している訳ではありませんが、まぁわざわざグレーなところに手を出すよりは、真っ白な状態で活動できる本屋をやろう、ということです。

ただ、著者の顔が見える図書館

つまり、貸し出せる全ての本の著作権者に直接許可を取った本だけが並んでいる図書館は面白そうだね、という話も出ましたのでいつかやるかもしれません。

我楽田堂書店のこれから

我楽田堂書店2

作戦会議の様子

そもそもこの16冊は先日から募集しているインターンプログラムの課題図書として用意したものです。

これらの他にも本を増やす気は満々です。

どんな本を増やすのか?

その方法は、美術館のような企画展を行おうと考えています。特に我楽田工房に縁がある「人」を活かした企画をしたいと考えています。

僕の中では70%くらいは固まっているので、もう少しカタチが見えたらみなさんの前で発表しようと思います。

企画展が始まったときは、またよろしくお願いします。みなさんが遊びに来るのを待っています。

店主(になった)スタッフの齋藤より