【福島県矢祭町】GIGAスクール構想についての教育講演会の実施|ボノ株式会社×株式会社VSN

我楽田工房(ボノ株式会社)では、社会課題に挑戦する人材研修プログラム「ソーシャルチャレンジャー」の一環として、プログラムに参加している「株式会社VSN」と共に、福島県矢祭町GIGAスクール構想実現に向けたプロジェクトを行なっています。

今回はその第一歩として、矢祭町教育研究会「教育講演会」にて、教職員の方々50名へ向けて「矢祭町におけるGIGAスクール構想について」講演しました。そちらの様子をレポートします!

現代社会で起きている変化と未来

今回は、講師である谷津 孝啓(ボノ株式会社)が現地参加、廣瀬孝さん(株式会社VSN)がzoom参加という形式で、オンライン環境を交えながら講演を行いました。この会を機に、先生方がzoomによるオンラインでのコミュニケーションを体感していただく機会にもなったかと思います。

このようなGIGAスクール構想についての具体的な話は、先生方がはじめて聞く内容も多かったようで、先生方からは「GIGAスクールについて全くわからないので詳しく知りたい。」「GIGAスクール構想における学校の具体的な役割を知りたい。」「GIGAスクール構想でどんなことができるのか?」「どんなメリットが児童にも教師にもあるのか?負担が増えはしないか?」などの声をいただきました。

そのような声に答えるべく、まずは、谷津 孝啓(ボノ株式会社)が講師となり、社会を取り巻く様々な変化や現状をお話ししながら、なぜGIGAスクール構想が必要なのかについて講演しました。

▲谷津 孝啓
ボノ株式会社 取締役COO
1983年宮城県仙台市生まれ。コミュニティデザイナー。2014年に東京都文京区にコミュニティスペース我楽田工房を立ち上げ、都市と農村を繋ぎ新たな価値を生み出す活動を開始。Society5.0の実現に向けて人口減少・高齢化社会の課題解決をテーマとした企業研修プログラム「Social Challenger」をプロデュース。全国の12エリアで活動を展開。

講演では、子供達が将来関わることになる産業界の側面から「これからの10年で経済社会の前提が大きく変化すること」を取り上げ、これまでの「質が高く価格も抑えたものをつくれば売れる」という前提が大きく変化しており、今後どのような変化が起こるか不明な時代に突入している現代は、変化の方向性を理解し、準備を進めていくことが重要であることお話ししました。それを踏まえると、10年後を見据えた「学校教育」についてイメージしていくことが大切になります。デジタルシフトのスピードがコロナウイルスをきっかけに、急激に加速している現状では、それに伴う対応も急務です。

また、近代化と都市化はイコールであること、情報から財をつくること、コロナウイルスの経済的影響、SDGsから考える社会課題解決とビジネスについてなど、実際に企業が取り組んでいる事例なども交えながら、多様なプレイヤーが社会課題に取り組むことで新しい可能性が地域に生まれることを伝えました。GIGAスクールについても同じで、先生方だけが全て対応していかなければいけないのではなく、それぞれ必要な領域の専門家が多様に関わり合いチームになることで、より良い未来を創っていくことができます。

教育の専門家である先生方とデジタル化などの専門家が繋がることができれば、どんな未来がイメージできるでしょうか?10年後の価値創造を踏まえて、今どんなことが必要なのかを考えることが子供達の未来につながることを伝えました。

GIGAスクール構想とは

廣瀬孝さん(株式会社VSN)からは、日本の教育を取り巻く現状からGIGAスクール構想の可能性についてお話ししました。

まずは、日本社会の現状の大きな特徴として挙げられる、高齢化および人口減少などや、日本の生産性の低さから見える未来への期待、日本の教育に対する投資が諸外国に比べ低く、社会に求められるスキルの多様化など、教育現場や先生方への負荷が大きく、カバーしきれないほどに教育現場に求められるニーズが広がっていることが考えられます。その現状に対応するための一つとしてGIGAスクール構想が挙げられます。

▲廣瀬 孝
株式会社VSN
イノベーション&キャリア開発本部未来創造グループ
1976年神奈川県厚木市生まれ。20年ほどネットワークエンジニアとして従事。未来創造グループにて職能判定自動化や退職分析などAI関連開発に従事。

GIGAスクール構想についての具体的な説明では、実際にGIGAスクール構想でインフラ構成を行なった学校からの課題や声などを紹介しながら、インフラ構成は、授業や先生方の業務での活用イメージを踏まえた検討が必要であり、運用した後のフォローも大切だということを話しました。「子供達に本当に必要な教育とは?」という観点から本当に必要な教育環境のためのサポートをすることがGIGAスクール構想において重要です。

次に、GIGAスクールを活用した参考事例を紹介しました。ここでは、先生方に、「実際に自分の教科などで使えるのか?実施するのが難しいと感じたポイントはどこなのか?」を意識して聞いていただくようにしました。先生方が挑戦してみたいけど難しいと思うポイントさえ分かれば、フォローできる専門家と一緒に実現することが可能になるのです。

事例紹介では、オンライン会議による特定科目の専門講義やタブレットの活用、先生方の業務活用事例、教育と地方創生における事例、などを紹介しました。ここでは、具体的なメリットや、実施地域での具体例、矢祭町で実施するならこんなことが出来るかもしれないなどの可能性などを交えながらお話ししました。

矢祭町GIGAスクール構想にむけて

この講演を通して、先生方から「矢祭町モデルを作り上げる過程に関われることにやりがいを感じる。」「子供の前に教師が産業などの自分の専門外の知識を学ばねばと感じた。」「子供への活用ばかり考えていたが教師間の活用も必要かもしれない。」「デジタルを使いこなすのに時間がかかるので、誰もが使える工夫を知りたい。」「データの蓄積を効率良く行なっていくためにはどうしたら良いか。」などの様々な疑問や気づきなどの声をいただきました。

初めは曖昧だったGIGAスクール構想ですが、現場の先生方の高い熱量を感じることができた講演になったと思います。GIGAスクール構想は、これまでアナログでやってきたことを全てデジタルに変えるということではありません。大きく変化する社会・世界・教育の中で、先生方が「本当に今のままでいいのか?こんなことができたら…。」と思った際に、デジタルだからこそ出来ることがあります。その為に、先生方と専門家がつながりチームとなることで、GIGAスクール構想に向け、矢祭町の皆様と一緒に今後もチャレンジしていきたいと思います。

今回の矢祭町教育研究会「教育講演会」にご協力、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

様々な地域のサポートを行なっています

我楽田工房では、さまざまな地域支援事業に取り組んでいます。今回の取り組みの他にも、自治体向けに地域おこし協力隊の着任研修や起業支援、着任前インターンシップなども企画・運営しています。
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